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1987年沖縄国体の時、読谷村は苦渋の末、日の丸を掲げることになったが、チビチリガマの遺族の気持ちは納得できないものがあった。
そして一人の青年が開会式で日の丸を降ろし、火をつけたのだ。
しかし、怒った右翼によって平和の像は破壊されてしまった。
もうそっとしておいてほしい、遺族はそう願ったが、金城先生は何度も遺族の方々と話をし納得してもらい、全国から多くの人々のカンパによる支援もあり、再建したのだそうだ。


【金城先生を囲んで】

チビチリガマから程近い、さとうきび畑に囲まれた金城先生のアトリエを訪問した。
先生のアトリエには全国から学生も含め様々な人が訪れるが、今回のように33名という大人数には驚いておられたが、とびっきりの笑顔で出迎えて下さった。

金城実さん。彫刻家。沖縄本島近くの浜比嘉島生まれ。
学校教師を経て、彫刻家としての制作活動を続け、戦争を経た沖縄の問題をはじめ、部落差別や在日朝鮮人差別、障害者差別等の人権問題にも積極的に取り組んでおられる方です。
沖縄の近・現代史をテーマとした高さ3メートル、長さ100メートルにも及ぶレリーフの制作に地域住民をも巻き込んで取り組んでいます。
このレリーフ制作のきっかけとなったのは、米兵との交通事故で19歳の命を絶たれた青年の死だそうです。
大阪の高校で教師をしていた頃から、金城先生の彫刻を手伝っていた青年の突然の死、通常の交通事故の補償が認められない理不尽な事故への憤りが、制作のエネルギーとなったそうです。


先生を囲んで、まずは先生の生い立ちから、沖縄の歩んできた歴史、大阪で夜間高校の教師をしていた頃に出会った生徒たちのこと、その中で部落差別(沖縄では集落や村のことを単に部落とよんでいたので、部落差別でいう部落との認識の違いも)を知り、解放運動に携わっていくことになった話など、先生の実体験を通して、人としてどう生きるべきか、自分自身を見つめなおす新たなきっかけをもらったような気がします。


今度は先生から、高校生、青年リーダーたちに問いかけがありました。
「憤り、怒りを感じることはあったか?」と。
初めはなかなか自分の意見を言えず、「腹が立つことなんてないなぁ」と答えていたが、次第にそれぞれが自分の思いを口にし始めた。
学校の教師や友人に腹が立ったこと、親に腹が立ったこと、そして自分の住む地域から出て初めて直面した世間の人の部落への偏見、彼らは彼らなりに理不尽な思いや憤りを抱えている。
先生は、その思いが闘いの原動力だと。
そして先生はおっしゃった。
「激しい闘いをする者はやさしい」と。


先生のお話を詳しく聞きたい方はこちらから。

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