私たちは、これまで和歌山県内の各地で、部落解放運動や子ども会の活動、自治会活動やボランティアに取り組んできました。
そうしたなかで未来への思いを込めて「NPO・ヒューマンライツわかやま」を設立しました。
とくに、部落解放運動は、本年５月に「和歌山県水平社創立８０周年」という大きな歴史的節目を迎えました。
この間、部落にある差別の実態を通じて解決への様々な課題を提起し、実現に向けた具体的な取り組みを進めてきました。
地域の環境、生活、労働、産業、教育保障等々の格差を一つひとつ解消する取り組み、差別意識を払拭するための教育・啓発活動などがそれであります。
そうした取り組みのなかで、様々な成果をあげてきました。
しかし今なお、依然として部落には、低位な実態や悪質な差別事件が後を絶たないという厳しい差別の現実が存在しているのです。
また、これまでの取り組みの中心になってきた格差是正の取り組みは、完全解決への一ステップにしか過ぎません。
人間が人間として生きていくための「未来」と「希望」という視点で考えたときに、なお多くの課題が山積されているのです。
さらに、私たちの住む社会には、部落差別以外にも様々な差別や人権問題が存在し、現実に悩み苦しんでいる多くの人々がいます。
今、私たちは部落問題だけでなく、そうしたすべての差別や人権問題をしっかり受け止め、それぞれの主体的な運動の更なる深化と全体的な運動の広がりのなかで、真に民主的ですべての人の人権が尊重される共生の社会の実現をめざさなければならないと考えています。
それぞれの持つ思いや悩みを理解し共有し合うことが必要です。
地域で生まれ、育ち、暮らす人々の思い、悩み、希望を真摯に受け止め、具体的なアプローチが必要です。
そして、子どもが健康に育ち、高齢者や障害者が安心して暮らせる。
誰もが人間としての誇りを持ち、尊敬されて生きていける。
そんな街づくりをめざしています。
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