知的障害者通所授産施設「麦の郷 はぐるま共同作業所」で働いておられる 辻本広宣さんと神谷和典さんにお話をおうかがいしました! |
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イ ン タ ビ ュ ー 辻本=辻本広宣(はぐるま利用者) 神谷=神谷和典(はぐるま職員) Q=M口亜紀(インタビュアー) ◆パン製造にかかわってQ シフト制で勤務されているということですが、当日、体調を崩された利用者さんがあったときにはどうされるんですか? 神谷 その日は仕方ないですね。今日も販売で来ているもう一人の彼が体調を崩して、体制的にグダグダやったんですが、朝早い仕事なのでいきなり来てもらうこともできないので乗り切りました。 Q 昨日、見学させてもらって感じたんですが時間との闘いですね。 神谷 今は特に暑いので、生地の発酵が早いんですよ。 納品時間もあるので、その闘いになっています。 Q 納品時間は? 神谷 納品は決まったお店に置きに行く、販売は対面販売をしています。普通の納品時間の出発は8時30分くらいなのでそれまでに仕上げなあかんのです。 Q 「あうんの呼吸」で作業されていましたが・・・ 神谷 利用者は状況を見て「今、これせなあかん」とわかってくれてると思います。 Q はじめてパン作りを教えるときは? 神谷 時間の余裕のあるときや体制が多いときに教えます。 辻本 ぼくは、体制の多いときに教えてもらいました。 Q 原油の高騰で材料への影響は? 神谷 ご存知と思いますが、ありとあらゆる材料に影響でてます。小麦粉、バター、マーガリン、チーズ、卵、パンを入れる袋など。 Q 採算はとれるんですか? 神谷 正直、前よりは悪くなりました。5月から若干値段をあげてるんですが・・・。 Q 利用者さんの給料は? 神谷 うちは時給なんですけど、早く来たら時間が長くなるから勤務時間が長くなる。 そのほか、特別手当があるので、基本給のほかに特別早出手当、早出手当、残業手当があります。 Q 民間のパン屋さんに勤める人は? 神谷 パン作りにはまった職員が辻調理学校に行った人もいますね。 Q 利用者では? 神谷 よその作業所でもパンを焼くことにはまった職員もいますね。 ただ、利用者ではないですね。 「障害者自立支援法」が施行されて・・・Q 「障害者自立支援法」ができて利用者の負担が増加して、施設を利用しにくくなった人もいると思いますが。 神谷 これまでは、給食費は一切かからなかったんです。 それが一昨年の4月から自己負担がかかるようになった。 これまで法律で知的障害者通所授産施設は、給食も組み込まれて たんですが・・・。 これもいろいろな意見があると思うんですが、ご飯食べるんやったらお金払うの当たり前やんと言われたりする んですが、彼ら(辻本さん)でもグループホームで一人暮らししてるなかで、ちゃんと栄養を考えた給食は非常に大事になってくると思うんです。 (辻本さんに)いつも休みに何食べてるか、ゆうたって。 辻本 ラーメンといかのげそ。 神谷 こんなんなんですよ。ほんま栄養偏ってて・・ Q ラーメンに具材は入れるんですか? 辻本 入れへん。麺だけ。 神谷 グループホームやから、みんなでお金出し合って鍋でもしたら豪華な食事になるのにってゆうんですが、絶対しないんですよ。 辻本 めんどくさいから。 Q 普段はどうしてるんですか。 神谷 自己負担で給食を食べてるんです。 Q ひと月2万円の給料で給食費は大きいですね。 神谷 給食は週2回なんで、まあ月4000円くらい。 月曜から金曜はグループホームで調理員さんがいてるので食べられますから。 でも土日は調理員さん休みなんで。 給食費が自己負担になってから、給食を食べなくなった人が一人いて、もともと休みがちやったんですが、今考えると来れなくなった人もいてます。 |