Q、相談員のお仕事は松根さんが1歩づつ作って来たんですね。 A、最初は何も見本がなかった。 様々な経験もあってか、いろいろなとこへ引っ張り出される。 自分の勉強が人に喜んでもらえる。 なかでも「愛の一声運動」は、65歳以上の独居高齢者で病弱に限るんですが、ヤクルトの配達員さんが商品を配る時に、それこそ「愛の一声」で「おばさん元気?おじさん元気?」と声をかける。 そして「元気よ」と返事が返ってきたらその人は元気な証拠。 以前、ある人が亡くなってたんですが、その時もヤクルトの人が見つけてくれた。 亡くなった人はいつも「おぉきによー」といってくれるのに、その日は返事がなかったので、家主のところへ行って部屋を空けてもらったら、奥の間で亡くなっていた。 Q、松根さんがヤクルトに出向いて「愛の一声運動」をお願いしにいったのですか。 A、新宮市役所の高齢者対策としてこの運動はあります。 申請は市役所へ、そしてヤクルトの会社に連絡してくれる。 Q、それは地域(同和地区)の人だけの制度なんですか。 A、私は、はじめは地域の人だけの仕事に推薦されたんやけども、混住もしてるし、人が困ってたら私はどこでも行く。 地域だけやなしに。 それが差別を生まん結果やと自分なりに思う。 地域に限らず、人から言ってくるん。 「こんな申請したってよ」とか。 そんな話を聞いたら「私、地域で仕事しやるんよ」って言えん。 高齢者みなが困ってるんやし。 全体的にみて制度の知らない人が多い。 それは、やはり字が読めない人が多いからと思う。 私の仕事として少しでも多くの人に福祉の制度を知ってもらう事が大切やと思う。 Q、松根さんご自身が体調を崩された場合はどうされているんですか。 A、一度熱が出ただけで、病気を理由に休んだことがない。それだけ健康でありがたい。 もし、私が倒れたらどうするのかということを・・・(市役所は)そこまで考えてないと思います。 高齢者の人びとからは「頑張ってよ」という声が強い。 私が窓口になって行政を引き合わせている。 また、私が市役所にいるから高齢者に優遇も出来ますけど。 自分が高齢者になったとき、誰がしてくれるんかな。 今の制度をわかっているだけに、自分に生かせるかなあって。 自分が痴呆になったら制度も全然生かせられない。 3年たったら私も65歳やから、そのように内心思っている。 今、考えていることで、橋本地区の住宅はいずれは空家になるでしょう。 高齢者の一人暮らしが三分一もいるんやから。 そこの住宅を確保しといて、高齢者向けの住宅にしたいと思っています。 私の願いです。 保健センター的なもんやね。 リハビリ器具を置いて、食事でも作れるような。 それを3年前から市と交渉している。 みんな住宅ほしいから与えるのも本筋やけど、空いた住宅を確保して・・・ホスピス活動やないけれども、それみたいなね。 自分が高齢になった時のことを考えながらやっているん。 自分が老いたらわかる。 子どもに迷惑をかけたないって。 |