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「尊敬の気持ち」
N・Rさん(萩原北中学校1年生)

 私は、福祉コースでお年寄りとの接し方について学ぼうと思いました。そのために、体のことや好きなことについて今まで調べてきました。
 体のことでは、人それぞれで、どこがどう痛いかは違うということを学びました。なので、助けるときは、その人に合ったサポートが必要ということです。なのでその人のことを知って助けにはいることが大切です。
 好きなことでは、アンケートをとりました。多かったのは、孫や近所の方々との会話でした。2003年には、お年寄りだけで暮らしてみえた方が48パーセントでした。なので会話をするのは、ほんの少しだった方々がみえたということです。少しの会話でもうれしい気持ちになれるので積極的に話しかけることがどれだけ大きいことか分かりました。
 このことを学んでから夏休みにAへ訪問させていただきました。あいさつをすると笑顔でかえしてくださりとてもうれしくて、自信がつきました。さっそく看護のお手伝いをさせていただきました。でもさっきの自信がなくなりなにを話せばいいのか分からなくてただたんに言われたお手伝いをさせていただいただけでした。この後も言われたお手伝いをさせていただくだけで、自分から会話を持ちだすことができませんでした。残り時間が少なくなったところで介護士さんが「自分のことを話すんじゃなく、聞いてみることが大切だよ」と言われました。でもどうやって話かけたらいいかわからなかったので会話ができなかったけどお手伝いをさせてもらうさいに大きな声で「手出してもらえますか?」などと言えました。小さい声だった私が少し変われた気がしました。
 この後に講話をしていただきました。一番心に残ったお話は見ず知らずの私達をすなおに受け入れてくださり介護をさせてくださったことについてです。おばあちゃんというのは孫に愛情をそそぐ役割だそうです。なので利用者さん方はそんな孫のように思ってくださっていたそうだと話されました。
私はそんなことを考えたことがありませんでした。心よく受け入れてくれた愛情を感じることができず話を聞きながら申しわけない気持ちでいっぱいでした。
 私はこの調べ学習と訪問したことでお年寄りの見方が変わりました。そして最近では、家のおばあちゃんとの会話が少しふえたと思います。それと地域のみなさんに会った時はできるだけ大きな声と笑顔であいさつをしています。もっと上をめざしていけるといいです。
 お年寄りは、人生の先ぱいなので「助けてあげる」という考えではなく、「助けさせていただく」という考え方で尊敬をしていきたいと思いました。年をとっているから不自由ではなく、年をとっていないから自由ではないのでそういう考え方をもたずに人生の先ぱいとして助けさせていただこうと思います。これからも元気な家のおじいちゃん、おばあちゃんを尊敬させていただきたいです。




鳥居賀柄子先生の評

Nさんは、福祉コースでお年寄りとの接し方を学ぶため、お年寄りの体のことや喜ぶことなどを先に知ってから施設への訪問をしたものの、実際に接するとなると、なかなか難しかったようですね。そのときのNさんの一生懸命な様子や気持ちが、作文に書かれていることからよくわかります。
 調べ学習や訪問を通じて、お年寄りに対する見方が変わったことは、大きな成果だったと思います。そして、そのことをきっかけにして、自分の生活のなかでも、おばあちゃんとの会話が増えたり、地域のみなさんに大きな声と笑顔であいさつできるようになったことは、周りの人をたいせつにしようとする意識が一層培われたのだと思います。
 それに、おじいちゃんやおばあちゃんを人生の先輩として尊敬する気持ちを持てるようになったのは、すばらしいですね。
 Nさんは、今まで以上に、おじいちゃんやおばあちゃんを尊敬し、大事にしていってくれると、また、周りの人たちとの関わりもより深めていってくれると信じています。
 Nさんの作文は、自分の伝えたいことや感じたこと等を具体的な内容も入れながら書いているので、内容もよくわかり、気持ちも伝わってきます。
 2枚目のあたりが、文が長く続いてしまっているので、段落を適切に考えたら、より分かりやすい表現になったと思います。

坂下義民先生の評

 お年寄りの方との接し方を学びたいという事で、アンケートを採ったりしながら調査を進めていくのですが、それぞれの人にはそれぞれの独自の考え方があり、たとえば痛みの感じ方や場所にしてもそれぞれ違うということを学んでいきますが、好きなことのアンケートでは会話を楽しみたい人が多いというような傾向が出たことになどついて、事前の学習成果を豊富にした上で、施設訪問をしていきますが、そこでの体験は新たな発見ばかりのようでした。そこで得た最高のことは、「助けさせていただく」と表現していますが、知識も大切だが、それよりも自分たちの大先輩である高齢者に対する尊敬の念が何よりも重要なことと気づいたのはさすがでした。

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担当からのコメント