私は、お年寄りの方とお話をするのが大好きです。お話をしていると、その人の強さや優しさが分かるような気がしてとても優しくなります。だから私は将来、介護福祉士になりたいと思います。
私がそう思うようになった一つめの理由は、ひいおばあちゃんの介護がきっかけでした。私にできる事といったら、食事の手伝いぐらいしかなかったけど、ひいおばあちゃんは私が食事の手伝いをする時に、「ありがとう、ありがとう」と何回も私の手を握りながら言ってくれました。その時、私は涙が出そうなくらい嬉しくて、もっと大きくなったら、こういう仕事につくんだと決心したのを今でも覚えています。
ふたつめの理由は、KやAなどの老人福祉施設での体験でのことです。
この前、福祉体験でAへ行かせてもらった時に、排せつの手伝いや昼食の配ぜんをやらせて頂きました。思った以上に体力の必要な仕事だし、人が嫌がる仕事かもしれないけれど、それをやりおえた時の達成感があって、この仕事っていいなあと改めて感じました。
でも、一度だけこの夢をあきらめようと思ったことがあります。この仕事は、常に死と向き合う仕事だと知った時です。老人福祉施設では、そこで最期の時を迎える方も多いそうです。それを聞いた時、私は「人が死ぬ」ということにきちんと向き合っていけるのか、とても不安になりました。私には到底無理なんじゃないか。そう思いました。
でも、どうしてもあきらめきれなかったので、私は考え方を変える事にしました。人が死ぬというのは、その人の人生の最期を迎えるということで、そこにいるということは、その人の最期に立ちあえるということだと考えました。それは、逆に言うと幸せな事なんだなあと今は思います。
だから、今もっている夢を実現させるためには、考え方を変えることが大事なんだと分かりました。
これから、まだ先は長いけど、夢を実現させるために、頑張っていきたいです。
|
|
|
|
鳥居賀柄子先生の評
お年寄りの方とおはなしをしていると、その人の強さや優しさが分かる気がしてとても嬉しいと感じているMさんが、とってもやさしくて、自分の意志をしっかり持っている中学生だなぁと私は感じました。
家でのひいおばあちゃんの介護のお手伝いを通じて、また、福祉施設での体験学習を通じて、Mさんは介護福祉士になりたいとの強い思いをもつようになったのですね。Mさんは、介護の大変さ死と向き合う現実のつらさにも大きな戸惑いを感じつつも、一層介護福祉士になりたいとの意志を強くもったようになったことがすごいなぁと思いました。
Mさんなら、きっとお年寄りの方たちの気持ちに寄り添って介護をすることのできるすばらしい介護福祉士になれると思います。自分の夢の実現に向かって、しっかり努力していってください。
文章構成がしっかりしていて、読みやすく、分かりやすい作文です。また、気持ちもしっかり伝わってきました。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
坂下義民先生の評
自分の曽祖母への介護を手伝うなかで、相手から感謝されることに充実感を覚え、嬉しくて福祉への関心を強めていき、施設訪問体験では、排せつの手伝いができるようになっていくことで達成感を覚えるまでになっていくことには感心します。しかし、彼女の場合、そのことに立ち止まらず、人の死と向き合う覚悟とその意味を考える領域にまで成長していくのには感動を覚えます。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
金谷善信先生の評
介護の仕事というのは、体力のいるたいへんな仕事です。
また、人のお世話をするだけでそこに温かい心の交流会がなくてはなりません。Mさんは、ひいおばあちゃんの介護や老人福祉施設での体験を通じて、たいへんだが死と向き合うことにも意義を見出しておられる姿勢には頭が下がります。ぜひ、夢を実現して福祉の現場ですばらしい活躍をしてください。
|
|
|
|
|
|