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イベント情報 投稿記事 狭山事件 差別事件 クローブアップ オススメ コラム

狭山事件では、犯人が唯一残した物証は「脅迫状」となっています。石川さんの自白では、「4月28日に自宅でボールペンを利用し、脅迫状と封筒を用意した」となっています。奥田鑑定人、小畠鑑定人、栖崎鑑定人など、各専門家が脅迫状の筆記用具について最新技術を駆使して鑑定をおこなったところ、40年あまりたった今だからこそ、石川さんの無実を証明する新たな証拠が浮上しました。

脅迫状の封筒のあて名に書かれていた「少時様」という文字について、「少時」は文字の線が細く、太さやインクの濃淡に違いがみられた。「様」という文字は線が太く、太さやインク濃度に変化がなかった。このことから「少時」と「様」は別の筆記用具で書かれたものであるとの鑑定結果がでました。
「少時」という文字と「様」の文字が別々の筆記用具で書かれたことは、別の鑑定方法でも明らかになっています。

この脅迫状は、誘拐事件発生以前に書かれたものと判明しています。その脅迫状のあて名の一部は、被害者の所持品である万年筆で書かれていたことも明らかになっています。このことは、「犯人が被害者を誘拐する前から被害者の万年筆を持っていた」ことになります。

見出し石川さんは当時、字が書けなかった!
きびしい部落差別の中で、家が貧しく小学校へも十分に通えなかった石川さんは、事件当時、ほとんど字のよみかきができませんでした。ところが脅迫状には漢字が多く使われ誤字もありません。漢字も書けず、よみかきすら正しくできなかった石川さんがこのような脅迫状を書いたとは考えられません。

見出し脅迫状に石川さんの指紋がない!
自白では、「素手でノートを破って脅迫状を書いた」とされていますが、脅迫状からは石川さんの指紋は検出されていません。警察の元鑑識課員は「脅迫状に石川さんの指紋がないことはおかしい」と鑑定しています。

見出し筆記用具が自白と食い違っている!
石川さんの自白では、脅迫状はボールペンで書いたことになっていますが、元警察鑑識課員が鑑定した結果、ボールペンと万年筆の2種類の筆記用具が使われていることが判明しました。

犯人が被害者宅に届けた脅迫状有罪判決では、脅迫状は石川さんが書いたとしています。

しかし、「字が書けなかった」「指紋がついていなかった」「自白した筆記用具とちがう」など、この脅迫状こそ石川さんが無実であることを証明しています。

弁護団はこれらの新証拠を第3次再審請求で提出し、鑑定人の証人尋問など「事実調べ」をおこなうよう東京高裁に求めています。