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「春 いつの日」
1945年8月9日、長崎に原爆が落とされました。
そこでは、14万人もの人が亡くなり、今も原爆の後遺症で苦しんでいる人が全国にたくさんいます。
その長崎にも被差別部落がありました。キリシタン差別もありました。
二重三重の差別が存在する町です。
でも、この町にも差別に反対して自らの人権を守るといった人間の尊厳をかける闘いがありました。
その町で出会った中村由一さんはとても気さくな温厚な方でした。
でも、その中村さんにも原爆に苦しめられ、いじめに遭い、部落差別に遭ったというすさまじいほどの体験をされてきた方でもありました。
そんな中村さんにもらった詩に、曲をつけました。


♪ 春  い つ の 日


だれにも 父や母が いるように わたしにも 父や母が いました
世間知らずで 字も 書けない 父や母でした


だれにも ふるさとが あるように 
わたしにも ふるさとが ありました
今はもう 原爆で焼けてしまった ふるさとでした
だれにも 母校が あるように
わたしにも 母校が ありました
いじめられ差別され ばかにされ続けた 母校でした


だれにも 言えなかった 過去ですが 涙で 言えなかった 過去ですが
今 伝えたい わたしの 人生と悲しみを 愛する あなたに
もういちど 信じたい


人の熱と光を
人の熱と光を


(『平和と人権の集い〜伝えたい この思い』報告書より抜粋)

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