出 し 物 紹 介 2
盛大なオープニングではじまった「ふれあい人権フェスタ」には、さまざまな出し物が用意されていた。
(なんて言ってますが、私も企画運営会議に参加してたハズ・・・)
「つくしんぼFC」で始まったオープニングは、子どもと大人による太鼓集団である。
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そして、日教組和歌山春駒保存会による「春駒」は、有田郡湯浅町に伝わる伝統芸能である。
ステージで「春駒」の説明を終えたあと、会場内を門付けにまわっていた。
「♪しかと乗り込め 乗ったは初駒 乗っての拍子で がてんでしっかり♪」ではじまる「春駒」。
「春駒」には、実は哀しい話がある。
「春駒」とは、正月の門付け芸として京阪神を中心に1950年代までおこなわれていた。
1カ月あまり家をあけ門付けに廻るのだが、そのあいだ子どもたちは寂しい正月を迎えることになる。
祝福芸としての姿と被差別部落としての姿をあわせもつ「春駒」は現在、部落解放運動の中で伝統芸能としての掘り起こされ、伝承されている。
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そのほか、在日本大韓民国民団和歌山県地方本部による「チャング演奏&コーラス」、「ハンセン病療養所在園者の手記朗読」、トロピカルセルバによる「子どもミュージカル」、メグ・ヒックリングさんの講演などなど多くの出し物がおこなわれた。
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なかでも当事者バンド「ハルシオン」による演奏は、私の心を打った。
大阪精神障害者連絡会のメンバーでもある二人は、名前と顔をさらけ出し精神障害者の生きづらさへの差別と偏見に対して「唄」という方法で社会への抗議と疑問の声を投げかけていた。
歌詞はもちろん二人による作詞作曲である。
歌詞のなかにある
♪自分をさらしながら生きていく。
それはとても勇気のいることで。
腕力とか根性とかそういうモノじゃなく、ようは、このまちと向き合うことで♪
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精神障害者の共同作業所の建設で多くの「まち」で反対運動が起こっている。
精神障害者にとって、「心のよりどころ」建設への反対運動。
これは、当事者が「生きる」ということを否定しているのだ。
大和川病院での入院患者への虐待などなど。
病院ですらこんなざまである。
人は知らないことを恐れる。
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それは2年前の「池田小学校」(2001年)での事件でも同じ事が言える。
事件の翌日「精神障害者による犯行・・」。
事実確認すらできていない段階で「無神経な報道」がなされた。
このとき、多くの精神障害者が社会に対して大きな「恐怖」を抱いた。
続いて、京都府宇治市●●小学校での事件も「前日に精神科に通院していた云々・・」そんな報道はどうでもいいことである。
「ハルシオン」によるメッセージがどれだけの人の心に響いたのか、検討もつかないが「知らないことを恐れる」人たちに是非聴いてほしい。
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会場をうろついていて、気になる場面っていうか、すごく印象に残った場面がいくつかあった。
入り口に、人権啓発センターの募集した人権の詩のパネルがあった。作品の一つひとつは、飾り気の無い素直な気持ちに満ち溢れていて、思わず立ち止まって見入ってしまった。
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会場に入ると正面に私たちのコーナーがあって勿論,見学の数がきになったが、もっと気になったのは、天井から吊り下げられた「水平社宣言」の大書、1つの文字がA2版くらいの紙に書かれたもので、市内の岩橋識字学級の識字生の作品である。
一つひとつの文字から、奪われた文字を自らの力で取り返えそうとしている思いとエネルギーが伝わってきた。
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それから盲導犬のチェリー君。
聞いてみないとわからないんだろうが、何か迷惑そうな感じ・・でもすごく可愛い。
目を見ていると結構冷静で頼りになりそうな感じかした。
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さらに直ぐに谷本龍也(衆議院議員)さんを見つけた。
大勢の人からの挨拶と握手攻め・・・・。
そんな谷本さんを10分後に体験コーナーで発見。
本人はご満悦?(笑)
会場のあちこちで、たぶん旧友に会ったんだろうと思う人、展示コーナーの展示に熱心に見入ってる人、講演を聞く人、手芸を楽しんでいる家族連れ・・・・。
それから外の模擬店で、あの南大門の朴さんも発見(例によって、キムチを買いました)。
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福祉と人権をテーマーに開催された「人権フェスタ2003」。
行政や公的な機関だけでなく多くのNPOが参加するのは今回が2回目。
開催や運営に関わった多くの関係者だけでなく、参加した市民も含め、様々な思いを共有できた二日間であったと思う。
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