高齢者の人権について
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〜長寿社会って〜 高齢化。 言い換えれば、「長寿」の話しということになりますが、これは「長生きをする」ということは、良いこと素晴らしいことだということです。 そういう意味で考えると、「高齢化社会」もそう悪いことではありません。 しかし現実には、多くの課題や問題があるのです。 つまり、「長命」が「長寿」に結びつかないことがあるのです。 〜高齢者社会への三つの条件〜 私たちが、長生きをすることが「長寿」となるための条件があるといえます。 その一つは、老後の安定した所得の確保が必要です。 そういう意味で定年制と公的年金の時間差などの関係。 年金制度の内容などの問題があります。 二つ目は、健康の問題があります。 誰でも年れいを重ねると、身体的機能の低下、疾病、障がいということから避けることはできません。 そのために、医療・保健・福祉などのサービスを整備する必要があります。 三つ目は、より充実した生活、つまり生きがいや高齢者を取りまく人びととの人間関係、バリアフリーなどの安全に生活できる環境つくりがあります。 こうしたシステムや条件の整備が完備されてはじめて「長命」が「長寿」になるのです。 |
〜地域福祉って〜 従来の高齢者対策というのは、施設中心主義であり、地域や家族から高齢者を引き離し隔絶させるものであったために、地域で普通に生活できない人という捉え方がありました。 しかしこれは、人権という視点で考えると大きな問題があるということで「在宅福祉」「地域福祉」という考えが生まれました。 さらに、高齢者を抱える家族の仕事・収入、家族構成、住宅事情をはじめさまざまな事情のなかで高齢者介護のかかわって深刻な問題が提起されたり、介護の普遍性という面で捉えた時に、家庭介護の限界や福祉サービスのあり方についても、ゴールドプランや介護保険制度などの施策とともに方向付けがなされてきました。 〜介護は女性だけ?〜 女性は、まず配偶者として「つれあい」の親の介護などの老後に付き合い、次に「つれあい」の老後に付き合い、最後に自分自身の老後を生きるということです。 これは、多分に「伝統的で固定的な役割分担」からくる状況であります。 つまり現実には「高齢者の問題は女性の問題」という状況がまだまだあり、男女平等参画社会実現への大きな課題であります。 〜人生の燃え尽き症候群って〜 これは、「濡れ落ち葉」「粗大ごみ」の話しです。 男性は、働き盛りのときに仕事に追われ、ろくに家庭や地域での役割りを果たしてこなかって、老後になっていざ何とかと考えても、人間関係もノウハウも居場所もなく、また頑張ろうというエネルギーもないという状況です。 そうならないためにも日頃からの行動や努力が必要です。 〜高齢者問題は障がい問題でもあります。〜 高齢者問題と障がい者問題は共通する課題が非常に多いのです。 同時に、このことは特別な話しではなく普通の話しで、誰も避けることができないのです。 私たちは、どうしても障がいや老いの軽減というところに気持ちが働いてしまいます。 しかし、これはそれぞれの個人と環境の関係でもあり、 例えば 駅にエレベーターがあれば、 車椅子でも簡単に利用できるバスやタクシーがあれば 道路に段差がなければ・・・・・・ それはもう「障がい」でなくなるのです。 つまり、社会システムと人間関係が成熟していくと、それは高齢者や障がい者だけでなく誰にとっても住みよい街になるはずです。 まさに、「共に生きる」ということなのです。 |