在日韓国・朝鮮人問題について
日本に一番近くて遠い存在といわれてきた韓国・朝鮮と日本。 特に、多くの在日韓国・朝鮮の人が私たちとともに生活をしています。 ところが、現実の問題として、そうした人びとに対し結婚、就職、日常の生活などに関わって極めて露骨な差別が存在しています。そのことをしっかりと考えましょう。 (1ページ目) (2ページ目) |
日本と朝鮮の関係は、歴史をさかのぼると日本の律令国家成立(7世紀)よりも以前までになります。いわゆる「日本人」のルーツと深く関わっているわけです。日本は、先進国である朝鮮からのものを学び、影響を受けて発展してきました。 しかし、さまざまな時代の中で良好な関係だけではなく、厳しい状況もありました。 そして決定的な関係になるのは、近代(明治)以降になります。 近代(明治)になって日本は、強力な軍隊を背景に領土拡張政策によってアジアへの侵略を開始します。日清戦争を経て台湾(1895年)を、日露戦争を経て朝鮮(1910年)を「併合(植民地支配)」しました。 日本は、1910年の「日韓併合」から1945年の終戦までの35年間、武力を背景に朝鮮を植民地支配し、徹底した「同化政策(文化・生活習慣・言語など)」と収奪をおこないました。さらに日本の中国大陸への本格的な侵略によって、朝鮮の民衆は貧困と失業状態におちいり、多くの人びとが日本へ職を求めてやってきました。 そして、日中戦争の泥沼化と太平洋戦争突入による労働力の不足を補うために1939年に「強制連行」がはじまり、多くの朝鮮人に有無を言わせず、60万人もの人びとを強制的に連行してきて、過酷な労働を強いたのです。化学兵器開発のための人体実験や元日本軍「慰安婦」の問題もこの頃のことです。 こうして、1945年の敗戦当時で230万人をこえる朝鮮人が日本にいました。戦後、日本政府は帰国費用や生活面での一切の手立てもおこないませんでした。このために、自費で多くの人が帰国しました。しかし、帰国費用のない人や自分で苦労して築いた財産の持ち出しの禁止、帰っても生活できないなどの理由から多くの人が残されました。そしてその結果、1947年頃に約53万人の人が日本に残りました。これらの人が在日1世です。 |
敗戦時に日本に残った人とその子孫で、現在も韓国籍か朝鮮籍をもっている人、つまり直接的な意味での「在日韓国・朝鮮人」は、約65万人といわれています。 さらに、帰化した人とその子孫や日本人と結婚してできた子ども(日本籍)など全てを含めると、200万人をこえているといわれています。 |
「自分の国に帰ったらいいのに」「差別とかいろいろ言うけど、ここは日本や、文句いうんやったら帰ったらいいのに」という人があります。 しかし、在日韓国・朝鮮人は仕事をし、税金を払い、すでに日本社会の一員として生活をしています。そして2世以降の人は、母国語で話すことができない人もおり、帰国しても生活の基盤がありません。つまり帰れないのです。 しかし、考えなければならないのは「在日韓国・朝鮮人」を生み出したのは、日本の植民地政策だということです。そして今日もなお「在日韓国・朝鮮人」が生活しているのは、日本が戦後保障などの清算をしなかったからです。 「帰れ」は、日本人として絶対に許されない発言なのです。 |