子どもの人権について
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1989年、世界中の子どもを守るために、国連総会において「子どもの権利に関する条約」が採択され、現在、192の国および地域で批准あるいは加入し、具体的な取り組みが進められています。 日本も1990年9月21日に署名し、1994年4月22日に批准しています。 子どもの権利条約は、 @子どもは差別されない A子どもの最善の利益が第一 B子どもの生命・生存・発達の権利の保障 C子どもの意見の表明への配慮 という4点が原則として出されています。 つまり子どもは、 生きることや育つことを保障されなければなりません。 病気や怪我、飢えから守られることが大事です。 子どもが十分に育つためには、教育を受け、自由に休んだり遊んだりでき、さまざまな考えや夢をもつことが保障されなければなりません。 また、あらゆる差別や虐待から守られなければなりません。 なかでも、障がいのある子どもや少数者の子どもは、特に配慮されなければなりません。 そして、自由に意見を表したりグループを作ったり、自由な活動が保障されなければなりません。 こうしたことは、その基本に子どもが単なる大人などの隷属物でなく、ひとつの独立した存在として、また社会の一員として尊重されなければならないということと、発達段階にあることから大人や社会によって子どもが守られなければならないということが基本になっています。 |
戦争によって子どもたちは、親や家族、家を奪われ、学校や友だちを奪われています。 飢えと病気にさらされている子どもがいます。 路上生活を余儀なくされている子どもがいます。 過酷な労働を強いられている子どもがいます。 人身売買、児童ポルノ、麻薬・・・。 世界の各地で、子どもたちは、ありとあらゆる社会の矛盾のなかにさらされているのです。 |
「世界では、過酷な現状が子どもたちを襲っているが、日本ではそうではない」 と考えている人がたくさんいます。本当にそうでしょうか? 子どもたちが、未来に夢や希望をもち、伸びやかにしなやかに育っているのでしょうか? 「子どもの幸せのため」という理由で子ども自身の意思を無視して、大人の「分別」とか「常識」「大人の考え」を押し付けてはいないでしょうか? 子どもの「意見」とか「考え」を十分聞いているのでしょうか? 子どもが安全に「遊ぶ場所」と「時間」が保障されているでしょうか? 子どもの「学び」やその機会が十分保障されているのでしょうか? 子どもの「個性」とか「希望」が尊重されているのでしょうか? モノを与えるだけでなく、子どもに十分な「愛情」が降り注がれているのでしょうか? 子どもが、感動したり、泣いたり、笑ったりしているのでしょうか? 実は、驚くほど「NO」という場面や状況があります。 |