(人権・少子高齢化問題等対策特別委員会 委員長) |
今回、和歌山県議会議員の藤本眞利子(ふじもとまりこ)さんにお話をお伺いしました。 藤本眞利子さんは1954年生まれの53歳、とてもそんなふうに思えないほどはつらつとした親しみやすい方です。 長年小学校教諭として勤務され、同和教育・人権教育に積極的に取り組んでこられました。 その後、和歌山市会議員を2期8年務め、2006年には和歌山県議会議員に当選、現在2期目、そして『人権・少子高齢化問題等対策特別委員会』の委員長として活躍されています。 |
イ ン タ ビ ュ ー 藤=藤本県議会議員 Q=新井(インタビュアー) まずはじめに、まり子さんに県議会議員としての思いをお伺いしました。 藤: 私は小学校教員を20年してきて現場で子どもたちと関わってきたんですけど、子どもたちの教育環境をさらによくしたいという思いで、1999年に市会議員に立候補しました。市会議員としてまず取り組んだのが、『CAPプログラム』の推進でした。 Q: キャッププログラムとはなんでしょうか。 藤:CAP(Child Assault Prevention)プログラムとは、子どもへの暴力防止のプログラムのことで、子どもたち本人に対しても行いますが、子どもに関わるすべての大人たちへの人権教育プログラムでもあります。このプログラムの重要性、必要性を議会の場で訴え、その結果、和歌山市内のすべての小学校にそのプログラムを導入することができました。 Q: 全小学校に導入することは、行政としては画期的なことですね。 藤: ええ、そうですね。キャッププログラムだけでなく、子どもに関わる様々なことを議会で提案してきました。『子ども支援センター』の設置も実現し、『児童虐待防止ネットワーク』については県下で初めて和歌山市に設置されました。それから、私も長年お世話になってきた学校給食については地産地消をすすめ、地元の新鮮な旬の食材をできるだけ取り入れるよう提案してきました。 Q: 小学校の現場で子どもをみてきたまり子さんだからできる提案ですね。解放子ども会にもかかわってきたということですが。 藤: 私は高校時代に部落差別といういわれなき差別の実態に憤りを覚え、それ以来ずっと解放子ども会に参加しています。私たちの身近なところには部落差別だけでなくいろんな差別があり、それらを許すことはできません。和歌山市内でも様々な差別事件が発生しています。それら差別事件も議会の場でただし、行政としての姿勢を示させてきました。そんないろんな取り組みや活動を和歌山市だけでなく和歌山県全体に広げたいという思いで、2006年に県議会議員へ立候補しました。 Q: 今春の選挙ではトップ当選され、また女性としては初めてではないでしょうか。 藤: 本当に感謝しています。多くの方々のご支援で当選させていただき、今の私があります。県議会議員として、教育、子育て、男女共生、医療、福祉、環境等、いろんな問題がありますが、すべてにおいて『チルドレンファースト』という姿勢で取り組んでいきたいと思っています。子どもたちをしっかり育てることで社会が安定充実し、そのことが高齢者を支え、働く女性を支えることができると思うからです。 Q: そうですね。少子高齢化は今の日本がかかえる大きな問題のひとつですね。まり子さんはどんなふうに思いますか。 藤: 今、とても心配していることのひとつとして、子どもたちがインターネットや携帯電話を利用することが増え、役に立っている半面、出会い系サイトを通して犯罪に巻き込まれたり、いじめに利用されたりする事件が多くなっていることです。国レベルでの規制がない中で、和歌山県としてどう取り組んでいくのか議会で質問しました。県としては、青少年局を中心に警察や教育委員会などと連携して取り組みをすすめていくとの回答をもらいましたが、具体的なことはこれから提案していくつもりです。これからも、子どももすべての大人も安心して暮らせる、そしてみんなで支えあえる社会づくりに貢献していきたいと思っています。 Q: ありがとうございました。まり子さんの子どもを大切に思う気持ちが伝わってきますね。まり子さんは現在、『人権・少子高齢化問題等対策特別委員会』の委員長をされていますが、2期目で、また女性として委員長というのはすごいことではないでしょうか。委員長としての思いをお聞かせください。 藤: これまで人権対策の委員会はありましたが、この『人権・少子高齢化問題等対策特別委員会』は今年はじめて設置されたものです。さまざまな差別の実態を明らかにしたり、少子化対策の研究調査をします。先日も委員会である社会福祉法人へ視察に行きました。現場をみて、いろんなお話を聞いて、障害があっても普通に地域のなかで暮らせる社会が必要だと思いました。それにはまだまだ就労の場が足りないと実感しました。行政として必要な施策をしていかなければなりませんが、地域の人々や企業の協力も必要ですね。 Q: そうですね。行政まかせではだめでしょうね。 藤: それに、現在の日本は少子化がすごいスピードで進んでいます。少子化に歯止めをかけるには、女性が働きながら子育てできるシステムが必要だと思います。私自身、充分満足のいく環境だったとはいえませんが、祖父母や身内だけでなく、地域のいろんな人の助けがあったので教師を続けながら子育てができたのだと思います。 Q: 今は核家族が増え、おじいちゃんやおばあちゃん、近所のおばちゃんたちのように子育てに関ってくださる方をみつけるのが大変ですね。 藤: ほんとうにそう思います。そのなかで保育所の役割も重要になってきますね。先日、ひとつのモデルとして企業内保育所を視察してきました。保育所とはいえ目の届くところに子どもがいるという安心感のせいか、保護者たちも、そして子どもたちもとても明るい表情をしていたので印象的でした。 一人ひとり、また一つひとつの問題や課題は違うけれど、すべてが関わりあってこの社会がなりたっていることを思うと、縦割り施策では無理があるのだと思います。委員会というのはすべての部局と関わり、横の連携をとりながら施策を進めていくことができます。そこに委員会としての意義があり、その委員長という職に責任を感じています。 Q: 具体的には委員会としてどんな活動をしているのですか。 藤: 先日、この特別委員会として、各政党本部へ『人権擁護法案早期制定』の要請行動を行ってきました。以前、和歌山県議会として人権擁護法案の早期制定の意見書を国へ提出していましが、前内閣では法案審議が棚上げ状態になっていました。そこで再度、人権・少子高齢化問題等対策特別委員会として各政党に要望書をだしてきたのです。もし今、私たちが何らかの人権侵害にあった時、それを救済する手立ては何もありません。こんなに差別事件は増加しているのに、その被害をこうむった人々を助けることができないんです。新しい内閣では動きがでてきているので期待したいと思います。 Q: まり子さんは、今春の県議会議員選挙では選挙区でトップ当選をされましたね。保守的といわれる和歌山で民主党の方がトップ当選ということも話題になりましたが、女性としてトップというのも初めてですよね。 藤: 現在、和歌山県議会議員46人中、女性議員はたった2人だけなんです。全国的にみても非常に少ないですね。民主党について言えば、若手の女性議員が増えてきています。いろんな集会や勉強会でその方たちと出会い、交流を深めています。 その方たちはとても勉強熱心で熱意にあふれていて、会って話をすることによって元気になるし、パワーをもらっています。県下でも女性市町村議員の方々と女性議員の会をつくりました。財政問題や環境問題、災害対策などいろんな勉強をしています。女性ということを大事にしながらいろんなことに挑戦していきたですし、県内だけでなく、近畿、そして全国とネットワークをひろげていきたいと思っています。 Q: お忙しいなかありがとうございました。 私自身も母親2年生として子育て真っ最中ですが、この子が将来もずっと健やかに安心して暮らせる社会にしていくのは、私たち大人の責務だと思います。 これから多くの女性や母親の味方として、ますますご活躍されることを期待しています。 |
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